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地域のまちづくり
杉並区は今

まちの案内  地域の環境や楽しい商店街など、杉並区の基礎知識を知ろう!
まちの自慢  まちには楽しいことがたくさん! 杉並の文化の一端に触れる。
まちの考え  柔軟な区役所と意識の高い住民によって、杉並区は「半歩先を行く」。

夕飯の食材を求める主婦、お洒落な古着を探す若者、そしてジャズを聞きにくる紳士・・・・・・。求めるものは違えど、集まるまちは、杉並区。商店街にはお洒落なカフェがあっても、昔ながらの人情味が残り、住みやすさも兼ね備えているこのまちについて、山田区長にお話を伺いました。 杉並区の文化から事業の取り組みまで、杉並の「いま」をご紹介します。

まちの案内

山田宏 杉並区長
杉並区長・山田宏氏。杉並区公式サイトで月に一度、区長メッセージを配信。
―― ひと口で言って、杉並区ってどんなまちですか?

「歩きながら、元気と文化が生まれる街」というキャッチフレーズを最近つくったところです。これが、杉並区の良さを言い当てていると思います。杉並区は徒歩圏内に電車とバスの駅があって便利。そして緑が多く、文化が豊富、買い物も気軽にできますし、お洒落なレストランもあります。ハイソな感じと庶民的な感じがほどよく混在している、そんなまちではないでしょうか。

―― 緑が多いということは、自然に恵まれているということですか?
まず、杉並区には妙正寺川、善福寺川、神田川の3つの川が流れています。そのうち、妙正寺川と善福寺川の源流はそれぞれ妙正寺池と善福寺池にあり、区内にあるんです。特に、杉並区の中心部を流れている善福寺川は泉から湧き出てから神田川に合流する地点まで、すべて区内を流れている一級河川です。杉並区にとっては母なるガンジス川、と(笑)。この間も、都内ではあまりないことだと思いますが、善福寺池に白鳥が6羽飛来しました。白鳥が空から見て降りてくるくらい、自然があるんだと思います(笑)。公園もすごくたくさんあるのですが、それと同時に、杉並区は江戸近郊農村として発展しているので屋敷林が多いですね。樹木の分布の約6割近くが屋敷林、そして2割は公園、残りは神社やお寺などです。

阿波踊り
東京の祭りとしても名高い、高円寺の阿波踊り。全国から踊り子たちが集まる。
―― 先ほどのフレーズの「歩きながら…」というように、緑のなかを歩くのは気持ちいいですし、杉並区には歩いて楽しめる商店街がたくさんありますよね。
そうなんです。商店街がすごく賑わっていますので、都心なのに餅つき大会があったり、古風な行事にも出合えます。古着屋で日本一となった高円寺の商店街では、阿波踊りが有名ですね。今年で50周年を迎えますが、3日間で100万人くらい集まる大きな祭りです。それだけでなく、ジャズストリートと言われる阿佐ヶ谷の商店街では、七夕祭り。今年の6月に新規オープンする杉並公会堂は、日本フィル(*1)の拠点になるのですが、とにかく、まちが音楽であふれています。生演奏する喫茶店も多く、クラシックコンサートなどのイベントもあります。下町の風情が残る方南町では、演歌祭りというのが行なわれていますね。また、“東京のへそ” とされている(東京の人口をバランスにかけると、ちょうど真ん中に位置するため)、大宮八幡さん(*2)では、サミットストアが中心となっていますが、山形の花笠祭りや芋煮会などが行なわれていますね。
*1 日本フィルハーモニー交響楽団:1994年から杉並区と友好提携を結んでいる。
*2 大宮八幡宮

沖縄タウン
オープン当初の“沖縄タウン”。沖縄関連のイベントも随時開催される予定。
―― 商店街がお祭りやイベントを主催して盛り上げているんですね。それにしても、杉並区は大きな商店街が多いですね。
杉並の端の方に、和泉明店街(いずみめいてんがい)という小さな商店街もありますよ。そこが沖縄タウンと銘打って沖縄をイメージした商店街に変わりまして、沖縄の物産やレストランを誘致して、いまや、はとバスがとまるくらいの名所になりましたね。他に元気な商店街といえば、練馬区との境にある上井草商店街ですね。ガンダムを制作している「サンライズ」の本社が商店街の中にあって、すぐ近くには早稲田大学ラグビー部のグランドもあり、ガンダムやラグビー部をモチーフにしていろいろなお祭りを商店街が催しています。この間は、ラグビー部の優勝パレードが行なわれていました。どの商店街も自分たちの住んでいるまちを何とか活気づけようということで、商店街のひとたちで盛り上げているんですね。郊外のスーパーマーケットには真似できない、地域に根ざした情緒あるまちにそれぞれなっていて、面白いですよ。人間の息遣いがあるまちは楽しいですよね。

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まちの自慢

杉並アニメーションミュージアム
アニメを学び、楽しめる仕掛けがいっぱいの、杉並アニメーションミュージアム。

―― 杉並区はアニメのまち、という一面もあるそうですが…。
全国でアニメーションをつくっている企業の1/4くらいが杉並区に集中しているんですね。『オバケのQ太郎』や『ルパン三世』など、いろいろな作品を生み出した「東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)」というアニメ制作会社が、昭和30年代、杉並へ移転してきました。それに伴って、下請けの制作会社やアニメーターたちが集まってきたんですね。また、中杉通りの突きあたりの練馬区になりますが、そこへ手塚治虫さんも住んでいましたので、この一帯はアニメ制作のまちとなったんです。

―― 昨年3月には、「杉並アニメーションミュージアム」をオープンされましたよね?
ここの面白いところは、さまざまな作品に触れられることだと思います。アニメはとにかく版権の問題が大変なのですが、このミュージアムは日本動画協会が運営しているので、加盟しているアニメ制作会社の作品が問題なく使えるというわけです。だからアニメファンにしてみると、とても楽しめるんです。そういえば、東京に来る修学旅行生の中で、アニメが好きな子どもたちのグループだと、最初に「三鷹の森ジブリ美術館」、そして「杉並アニメーションミュージアム」、最後に中野の「まんだらけ」に行く、というのが定番になっているそうですよ(笑)。

―― 杉並の新しいスポットになっているんですね。そういえば、先ほど杉並公会堂も新しく生まれ変わるとおっしゃっていましたが…。
杉並公会堂は、昭和32年に完成したのですが、当時は東洋一の音楽ホールと言われまして、いろいろなラジオ番組の中継なども行なわれていました。6月からは、日本フィルのベースになるわけですが、伝統ある杉並公会堂のイメージを崩さない、クラシック専用の音楽ホールになります。また、高円寺には、高円寺会館という古くなった公民館があるのですが、ここを世界的に有名な建築家の伊東豊雄先生に設計していただき、杉並芸術会館として建て替える予定です。劇場といっても、いわゆる小劇場で、芝居専用の劇場になります。歩きながら、文化が生まれる街に、ますますなると思います。
杉並公会堂
大ホールを備えた杉並公会堂の完成予定図。 2006年6月にオープンする。


―― アニメに芸術と、ますます楽しいまちになり、杉並に住む若者が増えそうですね。杉並に住んでいる若者に何かメッセージはありますか?
(ちょっと口調を和らげて)まちのなかにどんどん入って、面白いものを発見してほしい。例えば、高円寺には古着やロックがあふれているし、自分たちで面白さを感じて、楽しんで、自分たちの杉並の文化をつくってほしい。発表の場はいっぱいつくりますから。そして、住んでいる地域が住みやすくなるように、防犯パトロールや子どもにサッカーを教えるなど、できることがあれば参加してほしい。消費税5%分くらい、ちょっとでいいから(笑)、地域にいいこと、自分たちにできることをやって欲しいな。

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まちの考え
黄色いゴミ袋
杉並区が推奨する黄色いゴミ袋。45L 260円/30L 200円(それぞれ10枚入)。
―― さて、杉並区はいつも先駆けた事業を行なっていますが、住民の声が反映されていることも多いのですか?
もちろんです。住民の声からも職員の声からもあります。たとえば、現在カラス対策として取り組んでいる“黄色いゴミ袋”は住民の意見から始まったんです。住民のひとりが、黄色いゴミ袋をカラスは狙わないという話をどこからか聞いてきて、町会で実験してみようという話になり、実際に実験したのが発端です。そして効果を得たというデータを持ってきて、採用して欲しいということになりまして……。まあ、いろいろと困難があったんですが、実現してしまったんです(笑)。

―― すごいですねぇ。教育面においても、先駆けの取り組みをしていますよね。例えば、小学校の校庭の芝生化なんて、面白いなぁと思ったのですが。
芝生の発想は私からだったのですが、すでに区役所のなかで長年研究していたことで、職員からもやろう、という声が容易にあがりました。ただ、これは区が予算をつけて校庭を芝生にする、というのではとても無理な話なんですね。管理も大変ですし、学校や子ども、保護者、地域の方がみんなでやろうという気持ちにならないと難しいです。いまは4校で実践されていますが、最初に和泉小学校が取り組んだときは、校長、保護者、子どもたちや地域の方がいろいろなところに視察に行って勉強したんですね。そして、やろうと決意して取り組んだ結果、成功したんですね。そういう意識の高さも持ち合わせていないと、簡単には実践できないわけです。

校庭の芝生
二種類の芝生を植え、冬でも芝が青々としている、杉並第七小学校の校庭。
―― 芝生化に反対する方もいるのでしょうか。
反対はもちろんあります。たとえば、野球ができなくなるじゃないかと。そういった方もうんと説得して、みんなでやろうという雰囲気にならないと芝生は枯れちゃうんです。養生の期間は校庭が使えないので、それも我慢しないといけないわけですね。それで、自然を生かすために“我慢も教育”、という発想の転換が大切になってくるわけです。そういう学校は翌年も芝生が青々としています。芝生がある学校の子どもたちというのは、目の色が違うんですよ。一目瞭然です。こんな活発になるんだと、驚きますね。校庭の芝生化は都内で初めての取り組みでしたが、この結果、東京都は校庭の芝生化をする学校へは全面補助してくれることになりました。

―― 東京都を動かす杉並区! 他にも幼小一貫教育など、時代の先を行く取り組みもしていますが、今後取り組んでいきたいことはどんなことですか?
「歩きながら、元気と文化が生まれる街」というのをさらに磨いていかなくちゃいけないと思います。車より人間を優先させ、歩道を広げ、ベンチをつくり、トイレをつくり、それに伴い洒落たレストランができてきて、歩いていても楽しく、車椅子でも十分動けるようなまちづくりですね。そのためには、なるべく生活道路に車が入らないよう、幹線道路をきちんと整備することが先です。国が行なっている外郭環状道路が世田谷まで伸びれば、環七や環八の混雑が解消されて、車が生活道路に入ってくることも少なくなります。そして初めて歩きやすい道ができるんです。また、交通の面では、杉並の東西は電車や道路が伸びているのですが、南北への移動はどうも不便でした。そこで、すぎ丸というバスを走らせたんです。これはすごく好評で、運転手さんの接客態度も良くて田舎の乗合バスみたいな感じになっています。車内で掛け合う声も自然に生まれて、コミュニティの再生につながっているようですよ。これは大成功だったので、今後も本数を増やしていきたいと思っています。

すぎ丸
桜の頃は景色も楽しめる「すぎ丸」。南北へと走る姿は、すっかりお馴染みに。
―― すぎ丸のキャラクターグッズを区役所1階のショップで売っていましたね。区役所ということを一瞬忘れてしまいました(笑)。区役所内に貼ってある「めざします! 五つ星の区役所」という標語も、なかなか“お役所”からは出てきそうにない言葉ですよね。

だいぶ区役所でない雰囲気になってきまして、ある面ではお店みたいになってきているわけです(笑)。人間、生きているなかで一番うれしいのは人に喜んでもらうことなんですよね。商売もビジネスも区役所の仕事も、結局は人が相手ですから。お客さんに喜んでもらっている会社は繁栄するし、喜んでもらえないとつぶれる。区役所はつぶれないけど、区民に喜んでもらえないと協力が得られないし、いろんなことをやろうとしても反発されてしまったりするわけですよ。どうせ仕事をするならいい仕事をしたい、喜んで欲しいという気持ちは人間共通ですからね。そんな空気から役所も変わってくるんじゃないでしょうか。

―― なるほど・・・。杉並区が新しい取り組みをするフットワークの軽さは、行政というより、「お店」感覚の考えがあるからなんですね。最後に、杉並区の意識が高い理由を教えてください。
まず、女性の意識の高さがありますね。原水爆禁止運動が始まったのも、広島でも長崎でもない、杉並からなんです。公民館で勉強していたご婦人方から発せられて署名運動が始まったんですね。都内で初めて発足した、ユネスコに協力する地域民間団体ができたのも、杉並区。そうした新しい取り組みが生まれる風土というのが底流にありまして、そうした文化を住民みんなが誇りに思って、杉並に住んでいるのではないでしょうか。そして、新しいものを柔軟に受け入れ、消化する力があると思います。かく言う私も結婚してから杉並に住んでいる人間ですが、そんな私を区長として受け入れてくれましたし(笑)。ある面では新しいもの好きですし、ある面では時代の半歩先に行く地域なんです。

一歩先でなく、「半歩先」という謙虚さが素敵です。ちょっと先を行く、時代のリーダーとして、今後も杉並区を注目したいと思います。取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。

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※当サイトは、杉並区の公式ホームページではありません。取材に基づき、e-まちタウン株式会社が作成したものです。

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